ストナシリーズの違いを徹底比較

風邪・インフルエンザ
この記事は約6分で読めます。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。

1行でいうと

ストナシリーズの中心製品であるストナファミリーとストナEX錠は、片方がコデイン類・メチルエフェドリン類・カフェインを含まないシンプル設計、もう片方がそれらを含む複合処方という、対照的な組み立てになっています。ただし、両製品とも指定濫用防止医薬品の対象成分(デキストロメトルファン、またはジヒドロコデイン・メチルエフェドリン)は含んでいます。成分表をもとに違いを整理しました。

  • ドラッグストアで「ストナファミリー」と「ストナEX錠」の違いが分からなかった方
  • 子どもから高齢者まで、家族の常備薬として風邪薬を選びたい方
  • 市販薬の「濫用防止対象成分」の有無を確認してから選びたい方

「選んで使う」ブランドコンセプト

佐藤製薬のストナは、症状や年齢に応じて「選んで使う」ことをコンセプトにしたかぜ薬ブランドです(公式サイトによる)。ラインナップは大きく、家庭の常備薬として作られた「ストナファミリー」と、症状が強く出たときに選ぶ「ストナEX」系列(EX錠、およびジェルカプセルタイプの3製品)に分かれます。

成分・用法用量は執筆時点(2026年9月)で佐藤製薬公式サイトにより確認したものです。処方は変更されることがあるため、実際に使用する際はお手元の製品の添付文書を必ずご確認ください。

2製品の成分比較

項目 ストナファミリー ストナEX錠
解熱鎮痛成分 アセトアミノフェン900mg イブプロフェン600mg
鎮咳成分 デキストロメトルファン45mg ジヒドロコデインリン酸塩24mg
抗ヒスタミン成分 クロルフェニラミンマレイン酸塩7.5mg ジフェニルピラリン塩酸塩4mg
生薬成分 なし オウヒエキス、
キキョウ乾燥エキス
濫用防止対象成分 デキストロメトルファン(2026年5月に追加された対象成分) ジヒドロコデイン・メチルエフェドリン
気管支拡張・去痰 グアイフェネシン150mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩60mg、
L-カルボシステイン750mg
カフェイン 配合なし 無水カフェイン75mg
対象年齢 7歳以上 15歳以上

(成人1日量あたりの成分量。数値は佐藤製薬公式サイトに基づく)

ストナファミリーは、公式サイト上でも「コデイン類、メチルエフェドリン類(マオウ含む)、カフェイン類を配合していません」と明記されている、シリーズの中でも珍しい設計の製品です。眠気の原因になりやすいカフェインを含まないため、日中の服用や、比較的幅広い年齢(7歳から)での使用を意識した処方といえます。ただし、鎮咳成分として配合されているデキストロメトルファンは、2026年5月の制度改正で新たに指定濫用防止医薬品の対象に加わった成分です。「コデイン類・メチルエフェドリン類・カフェインを含まないこと」と「指定濫用防止医薬品の対象成分を一切含まないこと」は、現在は同じ意味ではない点に注意してください。

一方のストナEX錠は、イブプロフェンによる解熱鎮痛効果に加え、鎮咳・去痰・抗ヒスタミン・生薬成分まで組み合わせた、かぜの11症状に幅広く対応することを目指した複合処方です。その分、配合成分の種類は多くなっています。

なお、ストナにはこのほか「ストナジェルサイナスEX」(鼻水・鼻づまり向け)、「ストナアイビージェルEX」(のどの痛み・発熱向け)、「ストナプラスジェルEX」(せき・たん向け)という、症状特化型の液体カプセル製品もあります。これらは症状の出方に応じて選ぶ設計のため、成分の詳細は購入時に個別の添付文書で確認することをおすすめします。

選び方の一般的な考え方

  • 7歳の子どもから高齢者まで、家族共通の常備薬にしたい → ストナファミリーが候補
  • かぜの症状が一通り強く出ていて、幅広い成分でカバーしたい(15歳以上)→ ストナEX錠が候補
  • 症状が「のど」「鼻」「せき」のどれか一つに強く出ている(15歳以上)→ EXジェルシリーズが候補

これはあくまで一般的な目安です。持病や他の薬の服用状況によって向き不向きが変わるため、迷ったときは薬剤師・登録販売者に相談してください。

購入時の注意点:指定濫用防止医薬品について

ストナEX錠には、ジヒドロコデインリン酸塩とdl-メチルエフェドリン塩酸塩という2つの成分が含まれています。また、ストナファミリーには、鎮咳成分として配合されているデキストロメトルファンが含まれています。これらはいずれも、2026年5月に施行された改正薬機法で新設された「指定濫用防止医薬品」の対象成分です。従来はエフェドリンやコデインなど6成分が対象でしたが、同じタイミングでデキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン(いずれも外用剤を除く)の2成分が追加され、現在は合計8成分が対象となっています(厚生労働省の制度説明による)。該当する製品を購入する際は、販売時に薬剤師・登録販売者から購入目的等の確認を求められたり、若年者は大容量・複数個の購入ができなかったりすることがあります。制度の詳しい背景や対象成分の一覧については、指定濫用防止医薬品とは何かで解説しています。

これは市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)を防ぐための制度であり、決められた用法・用量を守っている限り通常の使用に支障はありません。自己判断で決められた量を超えて服用したり、複数の製品を併用したりすることは絶対に避けてください。症状が長引く場合や改善しない場合は、市販薬に頼らず医療機関を受診しましょう。

ストナシリーズの違いを徹底比較のイメージ

まとめ

ストナシリーズは、コデイン類・メチルエフェドリン類・カフェインをあえて含まないシンプル設計のストナファミリーと、複数成分を組み合わせて幅広い症状に対応するストナEX錠という、設計思想の異なる2つの柱で構成されています。ただし、ストナファミリーにもデキストロメトルファンという指定濫用防止医薬品の対象成分は含まれているため、「濫用防止対象成分が一切ない製品」という意味ではありません。家族の年齢構成や症状の出方に応じて、成分表を見比べたうえで選びましょう。

大正製薬のパブロン風邪薬シリーズの違いを徹底比較、第一三共ヘルスケアの新ルルAシリーズの違いを徹底比較、エスエス製薬のエスタックシリーズの違いを徹底比較も、同じ「風邪薬シリーズ」として比較の切り口が近く、あわせて読むと違いが理解しやすくなります。

備考

  • 本記事は特定商品の購入を推奨・誘導するものではなく、成分・処方の一般的な特徴を客観的に整理した情報提供です。「どれが一番効く」といった優劣の判断を示すものではありません。
  • 記載した成分・用法用量・対象年齢は、2026年9月時点で佐藤製薬公式サイトにより確認したものです。製品の処方変更・パッケージリニューアルにより内容が変わることがあるため、実際に使用する際は必ずお手元の製品の添付文書をご確認ください。
  • ストナジェルサイナスEX・アイビージェルEX・プラスジェルEXの詳細成分は、本記事では踏み込んで扱っていません。購入時は個別の添付文書をご確認ください。
  • 指定濫用防止医薬品に関する記述は、制度の一般的な説明であり、薬物乱用・過剰摂取の具体的な方法を示唆する意図は一切ありません。市販薬は用法・用量を守って使用してください。
  • 持病がある方、他の薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、購入前に薬剤師・登録販売者にご相談ください。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断・治療方針を示すものではありません。症状が続く場合や心配な場合は、医療機関を受診してください。

参考情報(調査日: 2026-09-19)

プロフィール
アバター画像

「くすり博士」として本ブログを運営しています。製薬企業に10年以上勤務してきた製剤研究者で、薬学博士(Ph.D.)を取得しています。専門は剤形設計や徐放性製剤(薬の効き方をコントロールする技術)といった製剤技術全般です。くすりの魅力、特に剤形開発の面白さを多くの方に知ってもらいたいという思いから、市販薬の解説・処方薬の作用機序・製剤の豆知識を発信しています。

くすり博士をフォローする
風邪・インフルエンザ
シェアする
くすり博士をフォローする
タイトルとURLをコピーしました