9月のくしゃみは秋花粉かも?ブタクサ・ヨモギに注意

鼻炎・花粉症
この記事は約6分で読めます。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。

1行でいうと

9月〜10月に鼻水やくしゃみが続く場合、原因はスギ花粉ではなく「秋の花粉」かもしれません。原因となる植物や対処法を整理しました。

  • 9月〜10月にかけて、鼻水・くしゃみ・目のかゆみが続いている方
  • 「花粉症は春だけ」だと思っていたが、この時期の症状に心当たりがある方
  • 市販薬で花粉症の症状に対処する際の、一般的な選び方を知りたい方

「花粉症は春だけ」ではない

花粉症というと、春のスギ・ヒノキを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ですが花粉症は春だけの季節性の症状ではなく、夏の終わりから秋にかけても、別の植物の花粉によって同じような症状が起こることがあります。

この時期の鼻水・くしゃみ・目のかゆみを「季節の変わり目の風邪」だと思い込んでいるケースもありますが、風邪と違って熱が出にくく、症状が長く続くことが多いのが特徴です。心当たりのある方は、秋の花粉症の可能性も念頭に置いてみるとよいかもしれません。なお、同じ時期に流行しやすい感染症については、インフルエンザ異例の早期流行、ワクチンはいつ打つ?でも取り上げています。

原因はブタクサ・ヨモギ・カナムグラ

秋の花粉症の主な原因とされているのは、次の3種類の植物です。

  • ブタクサ(キク科)
  • ヨモギ(キク科)
  • カナムグラ(アサ科)

スギ・ヒノキが「樹木」の花粉であるのに対し、これらはいずれも道端や河川敷、空き地などに自生する背の低い草(草本植物)です。特別な場所に行かなくても、通勤・通学路や近所の散歩コースなど、身近な環境に生えていることが多く、繁殖力も強いとされています。

飛散時期の目安(公的な観測データがない点に注意)

秋の花粉がいつ頃飛ぶのかについて、あらかじめお伝えしておきたいことがあります。

スギ花粉については環境省が観測情報を発信していますが、環境省が運用していた花粉観測システム「はなこさん」は、令和3年度をもって事業が廃止されています(環境省 報道発表資料より)。そのため、秋の花粉(ブタクサ等)について、現在は環境省による公的な定量データが存在しません。

現在、花粉の飛散時期・飛散量に関する情報の多くは、民間の気象情報サービス(ウェザーニューズ、日本気象協会など)が独自に発信しているものです。こうした民間情報によると、関東地方では8月頃から飛散が始まり、9月頃にピークを迎え、10月頃には落ち着く傾向があるとされています。

ただし、これはあくまで民間サービスの観測・予測に基づく情報であり、公的機関が定めた統一データではありません。年によって飛散量・時期にはばらつきがあるとされているため、「9月がピーク」という情報も目安の一つとして捉え、断定的に受け取らないようにしてください。

スギ花粉症との違い

秋の花粉症は、スギ花粉症と比べていくつかの違いがあるとされています。

  • 原因植物の場所: スギ・ヒノキは山などの樹木から広範囲に飛散するのに対し、ブタクサ等は身近な草むらから局所的に飛散するため、特定の場所(河川敷沿いなど)を通ると症状が出やすいことがあります
  • 飛散量: スギ花粉ほど大量に、広範囲に飛ぶわけではないとされ、症状が比較的軽く済む方もいれば、鼻炎症状が長引く方もいるなど個人差があります
  • 見分けにくさ: 症状自体は鼻水・くしゃみ・目のかゆみなど、スギ花粉症とほぼ同じであるため、自己判断だけで見分けるのは難しい場合があります

症状が続く場合は、何が原因かを自己判断で決めつけず、医療機関でのアレルギー検査等も選択肢になります。

市販薬での対処法(一般的な考え方)

秋の花粉症の症状に対して、市販薬を活用する場合の一般的な考え方を整理します。以下は特定の商品を推奨するものではなく、成分の特徴に関する一般的な情報です。

  • 抗ヒスタミン薬(飲み薬): くしゃみ・鼻水・かゆみを引き起こす体内の物質(ヒスタミン)の働きを抑える成分です。開発された時期によって「第1世代」「第2世代」に大別され、一般的に第1世代(ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン等)は眠気が出やすく、第2世代(フェキソフェナジン、セチリジン等)は比較的眠気が出にくいとされています。車の運転や集中力が必要な作業の前後は、添付文書の注意事項を確認してから使用してください。第2世代の抗ヒスタミン成分を配合した製品の違いについては、アレグラFXとアレジオン20の違いを比較でも整理しています。
  • 点鼻薬: 鼻づまりや鼻水に直接作用するタイプで、鼻の症状が中心の場合に用いられます。鼻炎薬シリーズの違いについては、パブロン鼻炎シリーズの違いを徹底比較もあわせてご覧ください。
  • 点眼薬: 目のかゆみ・充血が気になる場合に用いられます。花粉によるかゆみに対応した目薬については、サンテFXシリーズの違いを徹底比較でも取り上げています。

いずれも、症状や体質によって合う・合わないがあります。他の薬を服用中の方、持病のある方、妊娠中・授乳中の方は、使用前に薬剤師・登録販売者に相談することが推奨されています。市販薬を使っても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、自己判断で使用を続けず、医療機関を受診してください。

9月のくしゃみは秋花粉かも?ブタクサ・ヨモギに注意のイメージ

まとめ

9月〜10月に鼻水やくしゃみが続く場合、原因はスギ花粉ではなく、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラといった秋の植物の花粉かもしれません。これらは河川敷や空き地など身近な場所に生える草が原因であり、スギ花粉とは発生源が異なります。なお、秋の花粉の飛散時期・飛散量については、環境省による公的な観測データが現在存在しないため、民間気象情報サービスの情報を参考程度に捉えることが大切です。症状がつらい場合は、市販薬による対症療法だけに頼らず、医療機関への相談も検討しましょう。

備考

  • 秋の花粉(ブタクサ等)の飛散時期・ピーク・飛散量に関する記述は、環境省などの公的機関による定量データに基づくものではなく、民間気象情報サービスが発信している情報を参考にした一般的な傾向です。年や地域によって差があるため、断定的な情報として受け取らないようにしてください。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断・治療方針を示すものではありません。症状が続く場合や心配な場合は、医療機関を受診してください。
  • 市販薬についての記述は、成分の一般的な特徴の説明であり、特定の商品を推奨・比較するものではありません。使用にあたっては添付文書をご確認のうえ、疑問点は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考情報(調査日: 2026-09-12)

※本記事における秋の花粉の飛散時期・ピーク等の情報は、上記の民間気象情報サービスが発信する情報を参考にした一般的な傾向であり、公的機関による定量的な裏付けがあるものではありません。本記事の内容は執筆時点(2026年9月12日)の情報です。

プロフィール
アバター画像

「くすり博士」として本ブログを運営しています。製薬企業に10年以上勤務してきた製剤研究者で、薬学博士(Ph.D.)を取得しています。専門は剤形設計や徐放性製剤(薬の効き方をコントロールする技術)といった製剤技術全般です。くすりの魅力、特に剤形開発の面白さを多くの方に知ってもらいたいという思いから、市販薬の解説・処方薬の作用機序・製剤の豆知識を発信しています。

くすり博士をフォローする
鼻炎・花粉症
シェアする
くすり博士をフォローする
タイトルとURLをコピーしました