⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。
1行でいうと
コーラックにもスルーラックにも、腸を直接刺激するタイプと、便に水分を集めてやわらかくするタイプが混在しています。この違いを知ることが、便秘薬選びの一番のポイントです。
- ドラッグストアで便秘薬の棚を見て、コーラック・スルーラックの種類が多くて選べなかった方
- 便秘薬を「なんとなく」選んで使い続けることに不安を感じている方
- 刺激性下剤の連用リスクについて正しく知りたい方
同じブランド名でも、中身はまったく違う
「コーラック」「スルーラック」というブランド名は広く知られていますが、実はそれぞれのブランドの中に、複数のタイプの便秘薬が存在します。しかも、その中には「腸を直接刺激して動かす」タイプと、「便に水分を集めてやわらかくする」タイプという、まったく異なる仕組みの製品が混在しています。
本記事では、この2ブランドを横断して、成分と作用の仕組みの違いを整理していきます。
コーラックシリーズ:刺激性下剤が中心
コーラックの主な製品は、次のように整理できます。
- コーラック(無印): ビサコジル10mg(2錠中)を配合。大腸を直接刺激するタイプ
- コーラックII: ビサコジルに加えて、便に水分を含ませて軟らかくする成分(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)を配合
- コーラックハーブ: センノシド(生薬由来成分)と甘草エキス末を配合。生薬由来であることを訴求した処方
スルーラックシリーズ:刺激性と非刺激性が両方存在
スルーラックの主な製品は、次のように整理できます。
- スルーラックS: ビサコジル5mgとセンノサイドカルシウム(1錠中)を配合。刺激性成分を組み合わせたタイプ
- スルーラックデルジェンヌ: 酸化マグネシウム(6錠中2000mg)とヨクイニンエキスを配合。腸を直接刺激しない、非刺激性のタイプ
成分比較表
| 製品名 | 主な成分 | 作用の仕組み | タイプ |
|---|---|---|---|
| コーラック | ビサコジル10mg | 大腸を直接刺激し、ぜん動運動を高める | 刺激性 |
| コーラックII | ビサコジル+DSS(軟便化成分) | 刺激+便をやわらかくする作用の組み合わせ | 刺激性+軟便化 |
| コーラックハーブ | センノシド、 甘草エキス末 |
生薬由来成分が大腸を刺激してぜん動運動を促す | 刺激性(生薬由来) |
| スルーラックS | ビサコジル、 センノサイドカルシウム |
大腸を直接刺激する成分を組み合わせ | 刺激性 |
| スルーラックデルジェンヌ | 酸化マグネシウム、 ヨクイニンエキス |
腸に水分を集めて便をやわらかくする(浸透圧作用) | 非刺激性 |
(※「刺激性下剤」とは、大腸の粘膜に直接働きかけてぜん動運動(腸が便を送り出す動き)を活発にするタイプの便秘薬です。「非刺激性(浸透圧性)下剤」とは、腸を直接刺激するのではなく、腸の中に水分を引き込むことで便そのものをやわらかくし、出しやすくするタイプを指します。)
この表で分かる最大のポイントは、コーラックシリーズがすべて刺激性下剤であるのに対し、スルーラックシリーズには非刺激性のデルジェンヌが含まれているという違いです。同じ「便秘薬」でも、体への働きかけ方がまったく異なります。
選び方の一般的な考え方
用途を踏まえると、次のような整理ができます。
- しっかりとした効き目を、短期的に求めたい→ ビサコジルやセンノシドを含む刺激性下剤が候補になります
- お腹への刺激を抑えつつ、自然に近いお通じを目指したい→ 酸化マグネシウムのような非刺激性下剤が候補になります
- 繰り返し使うことが多い、体質的に便秘になりやすい→ 自己判断で刺激性下剤を漫然と使い続けるのではなく、非刺激性のタイプへの切り替えを含めて薬剤師に相談することをおすすめします
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。腎機能が低下している方や高齢者は、酸化マグネシウムのようなマグネシウム系の成分でも、まれに高マグネシウム血症のリスクが指摘されることがあるため、自己判断で長期・大量に使用せず、持病がある場合は事前に相談してください。
まとめ
コーラックもスルーラックも、実際には「腸を直接刺激するタイプ」と「便に水分を集めてやわらかくするタイプ」が混在するブランドです。コーラックシリーズはすべて刺激性下剤である一方、スルーラックにはデルジェンヌのような非刺激性のタイプも存在します。刺激性下剤は効き目がしっかりしている反面、長期連用による耐性・依存のリスクが知られているため、「毎日使う常備薬」として漫然と使い続けるのではなく、必要なときに使う・長引く場合は相談するという意識が大切です。
なお、大正製薬は便秘薬以外にも、風邪薬のパブロン風邪薬シリーズの違いを徹底比較、解熱鎮痛薬のナロンエースTとプレミアムの違いを比較といったシリーズを展開しています。お腹の不調つながりでは、ビオフェルミンと正露丸の違いを比較もあわせてご覧ください。
注意点:刺激性下剤の長期連用は避ける
ビサコジルやセンノシドを含む刺激性下剤は、添付文書上も「連用による耐性増大等のため効果が減弱し、薬剤に頼りがちになることがあるので、長期連用を避けること」とされています。使い続けるうちに「効きにくくなった」と感じて量を増やしてしまったり、「薬を飲まないと出ない」という状態になったりすることがあるとされています。
すでに長期間、刺激性下剤を使い続けている場合は、自己判断で急にやめるのではなく、薬剤師や医師に相談しながら見直すことをおすすめします。また、妊娠中の方は、刺激性下剤の使用によって子宮収縮が起こる可能性があるとされ、自己判断での使用は避けるべきとされています。

備考
- 本記事は特定商品の購入を推奨・誘導するものではなく、成分・作用の仕組みの一般的な特徴を客観的に整理した情報提供です。「どれが一番効く」といった優劣の判断を示すものではありません。
- 刺激性下剤の連用リスクに関する記述は、添付文書等の一般的な注意事項に基づくものであり、個別の使用状況について断定するものではありません。すでに長期間使用している場合の中止・変更は、自己判断せず医師・薬剤師にご相談ください。
- 記載した成分・用法用量は、2026年9月時点で大正製薬・エスエス製薬の公式サイト・添付文書情報により確認したものです。製品のパッケージリニューアルや処方変更により内容が変わることがあるため、実際に使用する際は必ずお手元の製品の添付文書をご確認ください。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断・治療方針を示すものではありません。便秘が長く続く場合は、自己判断で市販薬を使い続けず医療機関を受診してください。
参考情報(調査日: 2026-09-17)
※本記事の内容は上記情報源に基づく執筆時点(2026年9月17日)の情報です。製品の処方・パッケージは予告なく変更されることがあるため、最新情報は各社公式サイト・お手元の添付文書でご確認ください。


