韓国薬局「ノスカナゲル」を成分から見る

美容・スキンケア
この記事は約5分で読めます。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。

1行でいうと

ノスカナゲルは、韓国では化粧品ではなく「医薬品」として扱われている、傷跡ケア用のゲルです。配合成分と、日本での位置づけを確認しました。

  • SNSで「韓国薬局で買うべき」と紹介されている「ノスカナゲル」が気になっている方
  • 話題の商品を、口コミではなく成分から理解したい方

SNSで話題の韓国薬局アイテム

「韓国旅行に行ったら薬局で買うべき」――そんな紹介とともに、SNSや美容系レビューサイトでたびたび登場するのが、韓国の製薬会社・東亜製薬が販売する「ノスカナゲル」です。同じ東亜製薬の製品としては韓国薬局「アクノンクリーム」を成分から見る、また別の話題の製品として韓国薬局「リジュビネックス」を成分から見るでも取り上げています。

日本の@cosmeやLIPSといった化粧品レビューサイトにも商品ページがあり、多くの口コミが投稿されています。ただ、この商品には知っておきたい事実があります。韓国国内では、化粧品ではなく「一般医薬品」として、韓国の規制当局(MFDS、日本の厚生労働省・PMDAにあたる機関)に承認されている外用薬なのです。

ノスカナゲルとは何か

ノスカナゲルは、2013年に発売された、手術痕・にきび跡・肥厚性瘢痕(けが等の傷が治る過程で盛り上がってしまった状態)やケロイド(傷跡が赤く硬く盛り上がった状態)のケアを目的としたゲルです。2018年には、韓国の中央薬事審議委員会が有効性を改めて確認した経緯もある製品です。

韓国の薬局で処方箋なしに購入できる「一般医薬品」に区分されており、日本の感覚でいうと、ドラッグストアで薬剤師・登録販売者から購入する市販薬に近い位置づけになります。

配合されている有効成分は、次の3つです。

  • ヘパリンナトリウム
  • アラントイン
  • D-パンテノール(デクスパンテノール)

配合成分の一般的な働き

ここで説明する内容は、あくまで成分そのものについて一般的に知られている働きであり、商品自体の効果を保証するものではありません。

  • ヘパリンナトリウム: 本来は血液が固まるのを防ぐ成分として知られていますが、外用薬では血行を促す働きや、炎症を抑える働きが期待される成分として、傷跡ケア製品に使われることがあります。
  • アラントイン: 皮膚の修復を助ける成分として、多くの外用薬・スキンケア製品に配合されている一般的な成分です。
  • D-パンテノール: ビタミンB5の仲間にあたる成分で、皮膚の保湿やバリア機能(外部の刺激から肌を守るはたらき)のサポートに関わるとされています。

こうして見ると、いずれも傷跡ケアの分野で以前から知られている成分の組み合わせであり、目新しい未知の成分が使われているわけではないことが分かります。

日本の薬機法上の注意点

ここで大切な注意点があります。ノスカナゲルは、日本国内において医薬品として承認された記録が確認できません。韓国のMFDSが承認しているのは、あくまで韓国国内における効能効果であり、日本の薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく承認とは別のものです。

SNSや口コミサイトのレビューの多くは、韓国旅行時の購入や個人輸入によって入手された商品に基づくものと考えられます。個人輸入した未承認の医薬品による健康被害は、多くの場合自己責任となり、国内の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点にも注意が必要です。

日本国内で承認された効能効果を謳う商品ではないため、使用するかどうかは、こうした点を理解したうえでのご自身の判断・自己責任となります。傷跡やにきび跡が気になる場合は、日本国内で承認されている市販薬を薬剤師・登録販売者に相談して選ぶ、あるいは皮膚科等の医療機関を受診するという選択肢もあります。

韓国薬局「ノスカナゲル」を成分から見るのイメージ

まとめ

ノスカナゲルは、韓国では化粧品ではなく「一般医薬品」として承認されている、傷跡・ケロイドケア用のゲルです。配合成分はヘパリンナトリウム・アラントイン・D-パンテノールという、傷跡ケアの分野で以前から知られている組み合わせですが、これはあくまで成分の一般的な働きであり、商品そのものの効能を保証するものではありません。SNSでは化粧品のように紹介されがちですが、実態は韓国で医薬品として扱われている製品であり、日本国内では医薬品としての承認を受けていない点は、知っておく価値のある事実だと言えるでしょう。使用するかどうかは、こうした事実を踏まえたうえでの、読者ご自身の判断になります。

備考

  • 本記事は、SNSで話題になっている商品について、公開されている成分情報・商品区分情報をもとに客観的に整理した読み物であり、商品の購入・入手・使用を推奨・案内するものではありません。
  • 成分の働きに関する説明は、成分そのものについて一般的に知られている知識であり、商品の効果を保証・断定するものではありません。
  • 本記事で紹介した商品は、日本国内において医薬品として承認された記録が確認できないものです。個人輸入・海外での購入によって入手した製品を使用する場合の健康被害は、多くの場合自己責任となる点にご留意ください。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断・治療方針を示すものではありません。傷跡・肌の症状が続く場合や心配な場合は、皮膚科等の医療機関を受診してください。

参考情報(調査日: 2026-09-12)

※本記事の内容は上記情報源に基づく執筆時点(2026年9月12日)の情報です。韓国国内での医薬品としての承認内容は、日本国内での承認・許可を意味するものではありません。最新情報は各国の規制当局・製造販売元の公式情報でご確認ください。

プロフィール
アバター画像

「くすり博士」として本ブログを運営しています。製薬企業に10年以上勤務してきた製剤研究者で、薬学博士(Ph.D.)を取得しています。専門は剤形設計や徐放性製剤(薬の効き方をコントロールする技術)といった製剤技術全般です。くすりの魅力、特に剤形開発の面白さを多くの方に知ってもらいたいという思いから、市販薬の解説・処方薬の作用機序・製剤の豆知識を発信しています。

くすり博士をフォローする
美容・スキンケア
シェアする
くすり博士をフォローする
タイトルとURLをコピーしました