⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。
1行でいうと
パブロン鼻炎シリーズは、内服薬2種・点鼻薬1種・スイッチOTC1種という、性質の異なる製品の集まりです。成分と眠気の出やすさを中心に整理しました。
- ドラッグストアで「パブロン鼻炎」の棚を見て、カプセルSα・速溶錠EX・クラリチンEXの違いが分からなかった方
- 花粉症・アレルギー性鼻炎の市販薬選びで、眠気の出やすさを気にしている方
- 002(秋の花粉症の記事)を読んで、実際の市販薬選びについても知りたくなった方
「パブロン鼻炎にもいろいろある」という悩み
以前、当ブログでは秋の花粉症(ブタクサ・ヨモギ等)について取り上げましたが、実際に市販薬を選ぶ段階になると、今度は「パブロン鼻炎」という名前のついた製品がいくつも並んでいて、どれを選べばいいか分からない、という新たな悩みに直面する方が多いのではないでしょうか。
カプセル、水なしで溶ける錠剤、点鼻スプレー、そして医療用医薬品と同じ成分を含む「クラリチンEX」。名前は似ていても、剤形も成分もかなり異なります。本記事では、それぞれの位置づけを成分から整理していきます。
シリーズ全体像:内服薬・点鼻薬・スイッチOTC
パブロン鼻炎シリーズの主な製品は、次のように分けられます。
- パブロン鼻炎カプセルSα(15歳以上)・同 小児用(7〜14歳)
→ 速効性の白顆粒と持続性のオレンジ顆粒を組み合わせたカプセル - パブロン鼻炎速溶錠EX(7歳以上)
→ 水なしで口の中で溶ける錠剤 - パブロン点鼻(7歳以上)
→ 血管収縮成分を配合した点鼻スプレー - クラリチンEX(15歳以上)
→ 医療用医薬品「クラリチン」と同成分・同量のロラタジンを配合したアレルギー専用鼻炎薬
4製品の成分比較
| 項目 | パブロン鼻炎カプセルSα | パブロン鼻炎速溶錠EX | パブロン点鼻 | クラリチンEX |
|---|---|---|---|---|
|
主な成分 (成人1回分あたり) |
・マレイン酸カルビノキサミン6mg ・塩酸プソイドエフェドリン60mg ・ベラドンナ総アルカロイド0.2mg ・無水カフェイン50mg (2カプセル中) |
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩2mg ・塩酸プソイドエフェドリン40mg ・dl-メチルエフェドリン塩酸塩10mg ・グリチルリチン酸二カリウム15mg ・ベラドンナ総アルカロイド0.2mg ・無水カフェイン25mg (2錠中) |
・ナファゾリン塩酸塩 ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・ベンゼトニウム塩化物 (いずれも100mL中の割合で配合) |
・ロラタジン10mg (1錠) |
| 抗ヒスタミン成分の世代 | 第1世代 | 第1世代 |
第1世代 (点鼻のため眠気は起こりにくい) |
第2世代 |
| 剤形・用法 |
カプセル、 1日2回 |
水なしで溶ける錠剤、 1日3回 |
点鼻スプレー、 1日6回まで |
錠剤、 1日1回 |
(※「抗ヒスタミン成分」とは、鼻水・くしゃみ等のアレルギー反応に関わるヒスタミンという体内物質の働きを抑える成分です。開発された時期によって「第1世代」「第2世代」に大別され、一般的に第1世代は脳への影響が出やすく眠気が出やすいのに対し、第2世代は比較的眠気が出にくいとされています。)
この表で最も注目したいのは、カプセルSαと速溶錠EXが第1世代の抗ヒスタミン成分を配合しているのに対し、クラリチンEXだけが第2世代のロラタジンを単剤で配合している点です。同じ「パブロン」ブランドでも、眠気の出やすさという点ではかなり性質が異なります。
選び方の一般的な考え方
用途を踏まえると、次のような整理ができます。
- くしゃみ・鼻水・鼻づまりが同時に強く出ていて、比較的しっかりした効き目を求める
→ カプセルSαや速溶錠EXのような、複数成分を組み合わせた処方が候補になります - 外出先で水なしですぐに服用したい
→ 速溶錠EXが候補になります - 鼻づまりだけを一時的に改善したい
→ 点鼻薬であるパブロン点鼻が候補になりますが、後述の使用回数の注意が必要です - 眠気をできるだけ避けたい、仕事や運転がある
→ 第2世代の抗ヒスタミン成分を単剤で配合したクラリチンEXが候補になります
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。持病の有無や他の薬との飲み合わせによって向き不向きは変わるため、迷ったときは薬剤師・登録販売者に症状を伝えて相談することをおすすめします。
まとめ

パブロン鼻炎シリーズは、第1世代の抗ヒスタミン成分を配合したカプセルSα・速溶錠EX、血管収縮成分を配合した点鼻薬のパブロン点鼻、そして第2世代の抗ヒスタミン成分ロラタジンを単剤で配合したクラリチンEXという、性質の異なる製品で構成されています。眠気の出やすさを重視するなら抗ヒスタミン成分の世代に注目し、点鼻薬は使用回数を守ることが大切です。クラリチンEXは医療用医薬品と同成分同量ですが、これは処方薬からの自己判断での切り替えを意味するものではありません。また、カプセルSα・速溶錠EXには指定濫用防止医薬品の対象成分が含まれているため、購入時の年齢確認や数量制限といったルールがある点も押さえておきましょう。迷ったときは、薬剤師・登録販売者への相談を活用してください。
なお、同じ大正製薬の風邪薬シリーズについては、パブロン風邪薬シリーズの違いを徹底比較もあわせてご覧ください。
注意点1:クラリチンEXは「医療用と同成分同量」という特殊な位置づけ
クラリチンEXは、医療用医薬品として処方される「クラリチン」を市販薬に転用した、いわゆるスイッチOTC(医療用医薬品の成分を一般用医薬品に転用した薬)です。有効成分ロラタジンの配合量(10mg)は、医療用のクラリチン錠10mgと同じです。
ここで大切な注意点があります。これは「医療用と同じ成分・同じ量が入っている」という客観的な事実であり、「医師の処方から自己判断で市販薬に切り替えてよい」ということを意味するものではありません。現在、医師の処方でクラリチンや他のアレルギー薬を服用している方は、自己判断で市販薬への切り替えや併用を行わず、必ず医師・薬剤師に相談してください。同様に医療用と同成分同量のスイッチOTCについては、アレグラFXとアレジオン20の違いを比較でも取り上げています。
注意点2:点鼻薬の連用によるリスク
パブロン点鼻には血管収縮成分(ナファゾリン塩酸塩)が配合されています。この成分は鼻の粘膜の血管を収縮させて一時的に鼻づまりを改善しますが、添付文書上も「過度に使用すると、かえって鼻づまりを起こすことがある」とされており、決められた使用回数・間隔を守らずに使い続けることは避けてください。鼻づまりが長引く場合は、自己判断で使用を続けず、薬剤師や医療機関に相談することをおすすめします。
注意点3:カプセルSα・速溶錠EXは指定濫用防止医薬品の対象成分を含みます
パブロン鼻炎カプセルSαには塩酸プソイドエフェドリンが、パブロン鼻炎速溶錠EXには塩酸プソイドエフェドリンとdl-メチルエフェドリン塩酸塩の両方が配合されています。これらはいずれも、2026年5月1日に施行された改正薬機法における「指定濫用防止医薬品」の対象成分です。対象成分は当初エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ブロモバレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリンの6成分でしたが、同時期にデキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン(いずれも外用剤を除く)の2成分が追加され、現在は合計8成分に拡大されています(厚生労働省の制度説明による)。
この区分に該当する製品を購入する際は、販売時に薬剤師・登録販売者から購入目的や年齢の確認を求められることがあり、若年者(18歳未満)は大容量製品や複数個の購入が原則としてできません。これは市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)を防ぐための制度であり、決められた用法・用量を守って使用している限り、通常の鼻炎薬としての使用に支障が生じるものではありません。自己判断で決められた量を超えて服用したり、複数の製品を併用したりすることは避けてください。制度の背景や対象成分ごとの薬理学的な位置づけについては、指定濫用防止医薬品とは何かで詳しく解説しています。
なお、点鼻薬のパブロン点鼻と、第2世代抗ヒスタミン成分ロラタジンを配合したクラリチンEXには、指定濫用防止医薬品の対象成分は含まれていません。
備考
- 本記事は特定商品の購入を推奨・誘導するものではなく、成分・処方の一般的な特徴を客観的に整理した情報提供です。「どれが一番効く」といった優劣の判断を示すものではありません。持病がある方、他の薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、購入前に薬剤師・登録販売者にご相談ください。
- パブロン鼻炎アタックJLは現在は販売終了となっています。
- クラリチンEXに関する記述は、有効成分が医療用医薬品と同一であるという客観的事実の説明であり、処方薬からの切り替え・併用を推奨するものではありません。現在治療中の方は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
- 指定濫用防止医薬品に関する記述は、制度の一般的な説明であり、薬物乱用・過剰摂取の具体的な方法を示唆する意図は一切ありません。市販薬は用法・用量を守って使用してください。
- 記載した成分・用法用量は、2026年9月時点でPMDA添付文書情報・大正製薬公式サイトにより確認したものです。製品のパッケージリニューアルや処方変更により内容が変わることがあるため、実際に使用する際は必ずお手元の製品の添付文書をご確認ください。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断・治療方針を示すものではありません。症状が続く場合や心配な場合は、医療機関を受診してください。
参考情報(調査日: 2026-09-15)
- 大正製薬「鼻炎薬は、『効き目』にこだわるあなたに|パブロン鼻炎シリーズ」
- 大正製薬 製品カタログ「パブロン鼻炎カプセルSα」添付文書PDF
- PMDA医薬品医療機器情報提供ホームページ「パブロン鼻炎速溶錠EX」
- 大正製薬 製品カタログ「パブロン点鼻」添付文書PDF
- 大正製薬「クラリチンEX」公式ブランドサイト
- 大正製薬 製品カタログ「クラリチンEX」添付文書PDF
- 厚生労働省「2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容をご紹介します」
※本記事の内容は上記情報源に基づく執筆時点(2026年9月15日、指定濫用防止医薬品に関する記述は2026年9月20日追記)の情報です。製品の処方・パッケージ・販売状況は予告なく変更されることがあるため、最新情報は大正製薬公式サイト・PMDA添付文書情報でご確認ください。






