バファリンシリーズの違いを徹底比較

解熱鎮痛・頭痛
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⚠️ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。

1行でいうと

「バファリン」という同じブランド名でも、製品によって主成分がまったく異なります。特にバファリンAには重要な年齢制限があるため、成分から正しく理解しておくことが大切です。

  • ドラッグストアで「バファリン」の棚を見て、A・プレミアム・ルナiの違いが分からなかった方
  • 頭痛・生理痛・発熱など、通年で市販の解熱鎮痛薬を使う機会がある方
  • お子さんに市販の解熱鎮痛薬を使わせてよいか迷っている保護者の方

「同じバファリンなのに、中身が全然違う」という事実

頭痛・生理痛・発熱は、季節を問わず一年を通して起こりうる症状です。そのため、解熱鎮痛薬は市販薬の中でも特に定番のジャンルといえます。

その代表格である「バファリン」ですが、実はシリーズ内で主成分がかなり異なります。「バファリンだから同じようなもの」という感覚で選んでしまうと、体質や年齢によっては適さない製品を選んでしまう可能性があります。本記事では、成分の違いを一つずつ整理していきます。

シリーズ全体像:3つの系統

現行のバファリンシリーズは、主成分の系統で大きく3つに分けられます。

  1. バファリンA(15歳以上): アスピリン(アセチルサリチル酸)を主成分とする、シリーズの原点にあたる製品
  2. プレミアム系(15歳以上): バファリンプレミアム、バファリンプレミアムDXクイック+等、イブプロフェンとアセトアミノフェンを組み合わせた製品
  3. ルナ系: 女性の生理痛や、子ども向けを意識したバファリンルナi(15歳以上)、バファリンルナJ(7歳以上)

なお、かつてはロキソプロフェンナトリウムを主成分とする「バファリンEX」という製品も販売されていましたが、現在は製造を終了しており、店頭では入手できません。そのため、本記事では現行の製品を中心に整理します。

成分・用法用量・対象年齢は、執筆時点(2026年9月)でライオン公式サイトおよび添付文書(説明文書)により確認したものです。処方は変更されることがあるため、実際に購入・使用する際は必ずお手元の製品の添付文書をご確認ください。

主な製品の成分比較

製品名 主成分 鎮静成分 対象年齢 特徴
バファリンA アスピリン(アセチルサリチル酸)330mg/錠 なし 15歳以上 シリーズの定番。胃を保護する成分(合成ヒドロタルサイト)を配合
バファリンプレミアム イブプロフェン65mg、
アセトアミノフェン65mg(1錠中)
あり(アリルイソプロピルアセチル尿素) 15歳以上 2種類の鎮痛成分を配合。鎮静成分により眠気が出ることがある
バファリンプレミアムDXクイック+ イブプロフェン160mg、
アセトアミノフェン160mg(2錠中)
なし 15歳以上 プレミアムより鎮痛成分を増量。鎮静成分は含まない設計
バファリンルナi イブプロフェン130mg、
アセトアミノフェン130mg(2錠中)
なし 15歳以上 生理痛・緊張型頭痛を意識した処方。鎮静成分は含まない
バファリンルナJ アセトアミノフェン(チュアブル錠) なし 7歳以上 単一成分で、比較的低年齢の子どもにも対応

(※「鎮静成分」とは、緊張や興奮を鎮めて気持ちを落ち着かせる成分のことです。痛み止めの効果を助ける目的で配合されることがありますが、眠気を伴うことがあります。)

こう並べると、同じ「バファリン」でも、A・プレミアム系・ルナ系で主成分の種類自体が異なることが分かります。特にバファリンAだけがアスピリンを主成分としており、他の製品とは性質が大きく異なる点に注意が必要です。

【最重要】バファリンAのアスピリンには年齢制限があります

ここが、このシリーズで最も重要な注意点です。

バファリンAの主成分であるアスピリン(アセチルサリチル酸)は、15歳未満の方は使用できません。これは単なる目安ではなく、添付文書上も「次の人は服用しないでください」として明記されている、はっきりとした使用禁止事項(禁忌)です。

なぜ15歳未満に使用できないのでしょうか。バファリンAの添付文書には、「小児の水痘、インフルエンザ等に使用した場合、ライ症候群を起こすことがあります」と記載されています。ライ症候群とは、水痘(みずぼうそう)やインフルエンザなどのウイルス性の病気にかかっている子どもが、アスピリンのようなサリチル酸系の解熱鎮痛薬を使用した場合にまれに起こるとされる、激しい嘔吐・意識障害・けいれんなどを伴う重篤な合併症です。頻度は極めてまれとされていますが、発症した場合の重症度が高いことから、15歳未満への使用は原則として避けることとされています。

つまり、「子どもの発熱に、家にあったバファリンを使う」という行動は、その「バファリン」がバファリンAだった場合には避けるべきということになります。子どもに市販の解熱鎮痛薬を使わせる場合は、アセトアミノフェンを主成分とするバファリンルナJのように、対象年齢・成分が子ども向けに設計された製品を選ぶか、事前に薬剤師・登録販売者、または医師に相談してください。

プレミアムの鎮静成分についての注意

バファリンプレミアムには、アリルイソプロピルアセチル尿素という鎮静成分が配合されています。この成分は、痛みに伴う緊張やいらいら感を鎮める目的で配合されていますが、服用後に眠気があらわれることがあるため、服用後の車の運転や機械の操作、高所での作業は避けてください。眠気を避けたい場合は、鎮静成分を含まないプレミアムDXクイック+やルナiのような製品が候補になります。

選び方の一般的な考え方

用途を踏まえると、次のような整理ができます。

  • 胃への負担を抑えつつ、標準的な鎮痛・解熱効果を求める(15歳以上)→ バファリンAが候補になります
  • 痛みが強く、複数の鎮痛成分による効果を求めたい(15歳以上、眠気があっても構わない)→ バファリンプレミアムが候補になります
  • 眠気を避けつつ、しっかりした鎮痛効果を求めたい(15歳以上)→ プレミアムDXクイック+やルナiが候補になります
  • 7歳以上の子どもに使わせたい→ アセトアミノフェン単剤のバファリンルナJが候補になります

ただし、これはあくまで一般的な傾向です。持病(胃・十二指腸潰瘍、喘息等)がある方や、他の薬を服用中の方は、自己判断で選ばず、必ず薬剤師・登録販売者、または医師に相談してください。

他社の解熱鎮痛薬シリーズについては、ロキソニンSシリーズの違いを徹底比較、イブシリーズの違いを徹底比較、ナロンエースTとプレミアムの違いを比較でも整理しています。あわせてご覧いただくと、成分による違いがより理解しやすくなります。

バファリンシリーズの違いを徹底比較のイメージ

まとめ

バファリンシリーズは、「バファリン」という名前は共通していても、アスピリンを主成分とするA、イブプロフェンとアセトアミノフェンを組み合わせたプレミアム系、生理痛・子ども向けを意識したルナ系という、性質の異なる製品で構成されています。中でも特に重要なのが、バファリンAに含まれるアスピリンが15歳未満の方には使用できないという点です。この年齢制限は、ライ症候群という重篤な合併症のリスクを避けるための、明確な使用禁止事項です。「バファリンだから同じ」と考えず、パッケージの成分表示・対象年齢を必ず確認する習慣をつけましょう。

備考

  • 本記事は特定商品の購入を推奨・誘導するものではなく、成分・処方の一般的な特徴を客観的に整理した情報提供です。「どれが一番効く」といった優劣の判断を示すものではありません。持病がある方、他の薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、購入前に薬剤師・登録販売者にご相談ください。
  • バファリンAのアスピリンに関する年齢制限・ライ症候群の記述は、添付文書に記載された使用上の注意に基づくものです。実際に使用する際は、必ずお手元の製品の添付文書をご確認ください。
  • バファリンEXは現在製造終了品であり、本記事の比較対象からは除外しています。
  • 記載した成分・用法用量・対象年齢は、2026年9月時点でライオン公式サイト・添付文書(説明文書)により確認したものです。製品のパッケージリニューアルや処方変更により内容が変わることがあるため、実際に使用する際は必ずお手元の製品の添付文書をご確認ください。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断・治療方針を示すものではありません。痛みや発熱が長引く場合や心配な場合は、医療機関を受診してください。

参考情報(調査日: 2026-09-15)

※本記事の内容は上記情報源に基づく執筆時点(2026年9月15日)の情報です。製品の処方・パッケージ・販売状況は予告なく変更されることがあるため、最新情報はライオン公式サイト・お手元の添付文書でご確認ください。

プロフィール
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「くすり博士」として本ブログを運営しています。製薬企業に10年以上勤務してきた製剤研究者で、薬学博士(Ph.D.)を取得しています。専門は剤形設計や徐放性製剤(薬の効き方をコントロールする技術)といった製剤技術全般です。くすりの魅力、特に剤形開発の面白さを多くの方に知ってもらいたいという思いから、市販薬の解説・処方薬の作用機序・製剤の豆知識を発信しています。

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